(刑事)法律実務基礎科目(H23)

【問題文】

【メモ】

●どの証拠から、どの事実を認定するのか。各認定事実の位置づけ・性質等。
●設問1
・近接所持の法理は、被害品との同一性を認定してから。
・直接証拠(甲の供述)あるも、間接事実中心(補強法則から)。
・物の性質(かさばる、移動はし易い)等の考慮要素を挙げる(あ中でも可)。
・犯人側の事情と甲側の事情の書き分け。
●設問2
・不法領得の意思は省略で良いか。

【答案例】

第1 設問1
1.
(1)乙の携帯電話が入っていたこと、及び黒かつ「B」ロゴ金色から、甲が所持していたキャリーバッグは被害品と同一である。
(2)●近接所持の法理
(3)あ:時間・場所近接。持ち去ったことについては認めている。●検討:弁解の話はここでは書かない?他人からもらった等ではないため、
結論:犯人性を強く推認させる。

2.
(1)防犯カメラ映像(午後1時5分下車、180,白髪、紺色スーツ)。駅構内に手ぶらでホームをうろつく。犯人と推認される。
(2)切符から、同じ行動をとった可能性がある。甲(白髪。紺色スーツ。)と一致する。
(3)あ:整合する。
結論:犯人性を強く推認させる。

3.自白している。
4.以上より、合理的疑いを超えて認定できる。

第2 設問2
1.●占有の有無
(1)占有:事実と意思(判例)
(2)
ア.事実
・15メートル・5分・逆方向とはいえ5メートルだけ・見通し
イ.意思
・コート・意図して置いたまま・(忘れたが)すぐ思い出している。
(3)結論:事実・意思があり、占有あり。

2.甲の窃盗の故意
(1)●窃盗の故意:他人の占有する財物を自己の占有の下に移すことについての認識・認容(判例)
この点、自己の占有下に移したことは認めている。他人乙の占有についての認識があったか?
(2)認識(・認容)●認識(ややこしいが(笑)):認容は問題ではないだろう。
・甲が座っていたこと・(立ち去った後も)コートがあることは認識している。
(3)弁解
・忘れ物を届けに。:信用できない(逃げるしぐさ。声掛けあれば返すのが通常。中身の確認に同意するのが通常。供述の変遷。)
・2時過ぎに到着:信用できない(切符・ビデオ画像から。)
(4)以上より、乙の占有について認識があったことが合理的疑いを超えて認定できるため、窃盗の故意があったと言える。
以上

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