(刑事)法律実務基礎科目(H25)

【問題文】

【メモ】

●勾留:
1.理由(刑訴法207条1項本文、60条1項)
(1)「罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」(同柱書)
(2)「左の各号にあたる」(同柱書)●注意:逮捕と異なり、積極的要件として「理由」の中で。●B:それだけ慎重
2.必要性(87条1項参照)
●罪証隠滅:①対象、②態様、③客観的可能性、④主観的可能性(1行で書く。)
●①総合評価(「被告人が犯人でないとしたら、合理的な説明が困難。」。勾留に際しては、合理的疑いを容れない程度である必要まではない。)⇒②被告人の弁解潰し(「被告人の弁解…は不合理。」)
●法定刑・再犯加重の条文も指摘しつつ。
●近接所持の法理:被害品か、近接か、所持していたか、等の勉強になる。
●製造番号・指紋はあまり。

【答案例】

第1 勾留の理由
1.罪を犯したと疑うに足りる相当な理由(207条1項本文、60条1項)
・甲は否認。目的証言等なし。

間接事実による。
(1)メモリカードがワゴン車内にあった事実
・被害品の認定:メモリカードは、本件被害品に入っていたと認められる。6枚中3枚がインターネット公開されている画像と一致。それが被害者である虚偽証言の動機なきVの証言を端緒に発見・確認されている。
・占有の認定:ワゴン車は、Z社代表者の利害関係なき証言により、平成25年2月24日から、甲が占有している。
●近接所持の法理
あ:
また、メモリカードのみを盗む理由なし。
よって、共に窃取したことが強く推認される。

(2)リサイクルショップでの売却
・運転免許証
・写真面割
・甲の承認
→売却したのは甲
・なかなか手に入りにくい。
→甲が窃取したことが相当程度推認される。

(3)ビデオカメラの映像
・4階。窓は施錠。他に入口なし。
・犯人はドアから入った。
→犯行に及ぶことが出来たのは、A・甲又はQマンション内にいた者
→犯行の機会あり。甲が窃取したことを一応推認させる。

(4)動機 ●あまりだが。
・120万円の借金があり、甲が購入したとは認め難い。
→甲が窃取したことを一応推認させる。

(5)以上より、「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」がある。

2.60条1項各号該当性
(1)1号:非該当(T市内に居住)
(2)2号:Aへの働き掛けありえる(ビデオとの矛盾供述に合わせるよう)
(3)3号:執行猶予の取消し可能性(刑法25条2項、26条1項1号)。Z社での就業期間も約1年半と短い。
(4)よって、該当する。

第2 勾留の必要性
(207条2項本文、87条1項参照)●B:適当に。
【考慮要素】
・犯罪の重大性(最高懲役10年(刑法235条))
・起訴される可能性
・捜査の進展状況
・年齢
・経済状態・不利益
・健康状態等
以上

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